専門学校への出願書類の中には、高校が作成した調査書(いわゆる内申書)があります。
以下のようなことが気になってるなら、この記事に書いてますよ。
- 調査書ってどんなこと書かれてるの?
- 調査書の内容で専門学校不合格なるの?
- 専門学校の先生はどんな点を見てるの?
私はIT専門学校で1年生担任をしてきました。せっかく心機一転して入学してくれたんだから、しっかり学んで楽しんで、卒業と就職をして欲しいと思っています。
この記事で以下2点が分かります。
- 専門学校がめったに入学を断らないし、不利なことは書かれていない
- 新担任はあなたが調子悪くなった時に、すぐにサポートするために見てる
「高校の成績が悪くて…」「欠席多くて…」なんて不安になっちゃうでしょうが、とりあえず頑張ってオープンキャンパスに来てください。入学したら気分新たに一緒に頑張りましょう。
この記事が、あなたの専門学校入学と継続のきっかけになったら、嬉しいです。
よろしくー
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高校の調査書の内容・専門学校担任が見る点
専門学校の入学書類には、高校から提出される「調査書」があります。いわゆる高校受験で聞いた「内申書」と同じです。
ここでは、調査書に書かれている内容と専門学校の担任
- 高校から提出される「調査書」の内容
- 専門学校の担任がチェックする内容
とはいえ、専門学校が入学を断ることはほとんどありません。100名いたら1~3名程度。
絶対見れない書類だから
気になるでしょー
高校から提出される調査書
高校から提出される調査書には、こんなことが書かれます。
- 基本情報…名前とか生年月日など
- 教科の成績…各学年での評価(5段階が多い)
- 出席状況…各学年の欠席日数、理由
- 特別な活動…部活動やボランティア活動、学園祭や生徒会などでの役割。
- 学生の様子…学生の性格や言動など、先生の所見
- 総合評価…3年間を通した所見
いろいろ参考になるねー
高校の先生も「学生さんに不利なことを書いて、進学できないのは避けたい」ので、よほどヤバクない限りは「悪い事」は書いてません。
また、細かく書かれているかは先生や学校に依ります。特に欠席理由を書いてない場合が多くて困ってます。
ということで、
「高校の先生から悪いコトの報告はされてない」と安心してOKです。
ま、結局見ないことには
分かんないけどねー
専門学校 1年生担任がチェックするポイント
専門学校では校長先生など上層部が「受け入れる」と決めれば、担任は受け入れるだけです。
- 欠席日数と理由…20日超えないか、「体調不良」「気分不良」がないか
- 転校・中退・離職と理由…専門学校に通い続けられるか
- 志望動機…目標意識があるか、何となくなのか
しかし、以上のようなことで入学を断ることはありません。
専門学校は「受け入れる学校」です。欠席が多くても心機一転頑張りたい学生さんを信じて受け入れます。
100名いても1~2名ぐらいしか断りません。授業の進行やクラスメイトに影響が大きすぎる時だけお断りをしています。
めったに不合格にはならないよー
失礼ながら「なんでこんなの受けれいたんだ、無理やろ」って学生さんもいます。そして、休学・退学をしちゃえば、我々担任の責任になり給与査定に関わってきます。
とはいえ、私も学校と同じ思いです。「そんなこともあったのね」程度で頭に入れて、「心機一転頑張ってもらって、危なくなったら早めに考えよう」とするだけです。
ちゃんと見てるから
がんばってみてねー
欠席日数・学年ごとの変化・欠席理由 | 学校に来れるかな?
専門学校は社会にでる前の「人生最後の学校」です。
社会人は無遅刻無欠席は当たり前、よって専門学校の欠席日数は、進級・卒業に影響します。
- 欠席日数…年間5, 10, 20日を超えているか
- 欠席理由…体調不良・気分不良があるか
- 欠席日数の変化…増加/減少しているか
一番重要だねー
欠席日数が年間20日を超えるか | 通信制高校は分からない
専門学校は出席日数にはデリケートです。
年間20日を超えると、進級・卒業ができなくなるので、補講や再試験が必要です。
とはいえ補講でフォローできる日数には限界があります。
ざっくり年間40日ぐらいまでは何とかなりますが、中には年間50~70日って学生さんもいます。
ただし、通信制高校は出席日数は書かれていないので、心配しています。
ちゃんと学校来てねー
欠席理由が具体的か | 「体調不良」「気分不良」には要注意
欠席理由は重要です。
欠席が5日でも「発熱」「インフルエンザ」「風邪」であれば問題視しません。
ただし「体調不良」「気分不良」には注意しています。先生が詳しく書いてないだけかもしれませんが。
「体調不良」は具体性がありません。頭痛・腹痛・発熱・風邪など具体的な症状が書かれてない場合は、不登校やサボリの可能性を考えます。
「気分不良」と書かれるのはレアです。メンタル面を心配します。
体調整える
最後の練習期間だよー
高校3年間の欠席日数の変化 | 増えたり減ったりしているか
3年間での欠席数の変化では性格が分かります。
- 1年次に多く、2・3年次に減った
- 3年生の時に多くなっていた
1年次に欠席が多い学生さんは、新しい環境に緊張したり慣れなかったりしたのかなと推測します。行動歴にも「始めは慣れなかったみたいだが~」みたいな記述があることも。
逆に3年次に多い学生さんは、大学受験のストレス・進路への悩み・友達関係のもつれがあったのかもなぁと考えます。
断定するわけではないですが、「最悪ケースを想像しておいて、良かったねぇ」とホッとする方が良いですからね。逆に想像しておかないと兆候が出ても察知できず、欠席日数が取り返しがつかない状態になってしまいます。
あとは実際に会って話して、様子を見守っていきます。
最初も最後も
ストレスあるよねー
転校・退学・離職理由 | 体調やメンタルを整えられるかな?
専門学校には高校から「ストレート」に入学してくる学生さんだけではありません。
- 全日制高校から通信制高校へ転校…真面目な学生さんが多い
- 高校中退して高卒認定試験へ合格…勉強方法ができてる学生さんが多い
- 大学/高専を中退して専門学校へ入学…学力が高い学生さんが多い
- 退職して専門学校へ入学…しっかりした学生さんが多い
40~60%の学生さんが、色んな経緯で入学しています。
それぞれ強みがあるねー
サポートするからがんばってねー
全日制高校から通信制高校へ
全日制高校から通信制高校へ転校する学生さんは、30名クラスに3名以上います。
出席をしない高校なので、調査書に欠席日数が書かれてませんし、学生さんが規則正しく登校して、多人数の中で勉強できるかは心配です。
私が担任した学生さんは、真面目で学力も高い傾向がありました。専門学校でも「教えてあげる立場」になって、友達ができるのが遅めですが勉強仲間・友達がだんだんできていました。
一方で、体調管理や人の中での学校生活に疲れる学生さんもいました。
体力つけるんだよー
高校中退して、自力で高卒認定試験に合格
高校に通えなくなって、予備校やニートさんを経て、高卒認定試験に合格してくる学生さんは、30名クラスに1名ぐらい。大抵は通信制高校に転校するので、珍しいケースです。
高校の調査書の提出がないので欠席日数が分からないし、退学理由も不明な場合が多く心配します。
とはいえ、つらいことがあって退学したけど、自分で「いかんいかん。高校は出ておかねば」って思ったわけだからえらいですよね。
高卒認定試験に合格したので、自分なりの勉強法が少しできあがっている学生が多いですね。資格対策は、授業でもやりますが、結局どれだけ自主学習できるかがも重要になるんです。
独学力を活かして
今度は卒業しよー
大学や高等専門学校を中退した
大学や高専を中退された学生さんは、30名クラスに3~4名います。
大学は自分で必要な単位を取っていく学校です。単位が取れなければ留年が確定しまいます。再試験も1回までなどキビシイですね。
大学の勉強が難しくて単位が取れなかったり、他県での一人暮らしに慣れなかったり、高専の寮生活がキツクて退学をした学生さんが多いです。
専門学校も単位は必要でうし欠席にはキビシイです。しかし、クラス担任が出席を確認し様子を見てますので、ほったらかしにされて留年・退学にはなりません。
学校来なかったら
必ず連絡するよー
働いていたが辞めた
高卒就職やフリーターをして退職して入学する学生さんは、30名クラスで1~2名います。
「就職業界を変えたい」「学歴を高卒から専門卒に上げたい」が入学動機で多いです。前職は、介護職・飲食・自動車整備・半導体検査など肉体労働系。
社会人経験をしているので、わきまえている点が大変良いです。入学目的がはっきりしており、中には学費を自分で支払っているので、熱心に学業に励んでます。
しっかりしてるよー
志望動機・専門学校の入試面接 | ツライことがあっても粘れるかな?
願書に書かれた志望動機や専門学校の面接試験では、入学目的や意志の強さが分かります。
- 他の学校と併願していたか…「不本意入学」でモチベないかも
- オープンキャンパスに来ていた…何も知らないで何となく入学したかも
- 志望動機がはっきりしているか…先生や親の薦めで自分で決めずに入学したかも
学校生活は一本道ではありません。授業が難しい、資格に落ちちゃった、友達が少ないなんて「ツライコト」が起きてから、踏ん張れるかをとても心配します。
せっかく入学したから
卒業・就職してほしーねー
他の学校と併願 | 「不本意入学」の可能性
「不本意入学」の学生さんは、30名クラスだったら、5~7名ぐらいいます。
- 「大学に不合格になったら…」
- 「大学に受験すらできなかった…」
- 「予備校浪人したけど…」
- 「就職したかったのに…」
入学してからも「ここは第一希望じゃない」って思いが残ると、すぐに「辞めようかな」って気持ちなっちゃいます。また「高校の延長線な学校」「就職・資格重視の授業」「ITに特化した授業」に馴染めない場合も。
「失敗も成功も背負って生きていこう」「専門学校もいいな」と思えれば良いのですが、「振り出しに戻したい」と考えだすと大変ですね。
4~5月を乗り越えれば
安定するけどねー
▼後悔しない学校の種類選び▼
オープンキャンパスに来ていない | 「思ったのと違う」で退学の可能性
オープンキャンパスに全く来ないで入学してきた学生は、とても心配です。30名に5名以上とわりと多いです。
自分のいる環境に馴染める性格だとまだ良いのですが、「勝手に妄想して、思ったのと違う!」と考える学生さんが正直厄介です。
ホームページにすらしっかり「プログラムを勉強します」と書いてあるのに、見ずに「IT専門学校ってワードやエクセルをするぐらいだと思ってました」と勝手に妄想して入学する学生さん。
「ゲームコースって絵を勉強できると思ってました」と勝手に妄想してますが、オープンキャンパスで相談してくれれば「プログラムの方がメインだよ」って教えてあげたのにって学生さん。
勝手にモチベが下がったり、いきなり辞めますと言い出したり、大変でした。
専門学校への入学を決めたのは自分なので、しっかり資料を取り寄せて、オープンキャンパスを見学・相談をして、どんな内容をどれくらいの量やって、年間スケジュールの流れなどを聞いておきましょう。
ぶっちゃけ一番
手がかかるねー
志望動機がはっきりしているか | 自分で決めてなく粘り強くない可能性
高校で面接練習をしっかりやっているので、志望動機はすごく良いのを言ってきますね。
とはいえ、少し深堀するとあいまいな志望動機を言っちゃう学生さんもいます。
- 「先生/親に薦められて」
- 「何となく興味があって」
- 「ITやってれば間違いないかなって」
プログラムや資格勉強を難しいと感じた時に、粘れるか心折れるかの分かれ道になります。
- IT技術者になることを具体的に考えているか
- やってみたいことと授業内容が合っているのか
他にも、専門学校での面接試験の所感も見ます。調査書と違いがないか、どんなタイプの学生さんかなどは参考になります。
それでも、高校での面接練習がしっかりしすぎて見抜けないことが多いです。
試験を受けた高校生が高校に「どんな質問がされたか」って報告してますし、面接試験も20分程度なので聞けることは限られてますからね。どうしても質問内容が固定されてしまいます。
高校の練習はほんとすごいよー
まとめ | 学校も担任もあなたの頑張りを見守ります
ここまで読んで頂きありがとうございます!
ありがとー
- 専門学校は、あなたが学校を続けられるかを心配してる
- 欠席日数や理由、高校での経緯、入学の志望動機を見て予防を考える
- あなたも、「専門学校入学」を自分の責任で判断して欲しい
- 志望動機をしっかり持って、オープンキャンパスにも来てください
専門学校に入学すること自体が不本意だったり、専門学校での授業・資格・人間関係が思い通りにいかないこともあるでしょう。
でも、人生そんなもん。上手く行ったり行かなかったりでも、自分の人生・自分の判断です。
社会にでたら、オトナになったら、もっともっと色んなことが起こります。自分の所為じゃないこともたくさん起こります。
それでも、「失敗も成功も全部背負って歩み続けて生き抜いてくれる人間」を育てたくて、先生やってきました。
じゃ またー
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