この記事では、専門学校には1~4年制の特徴をまとめています。
業界によっても違います。
専門学校は2年制と3年制のコースが多いですが、公務員や調理では1年制が多く、保育や医療では3年制・自動車業界は4年制も多めなど特徴があります。
学校生活においても、1~4年制では大きな違いがあります。
短すぎると資格や就職の幅が狭く、長すぎるともし合わなかった時に退学につながりかねません。学位についても1年制は変わりませんが、2~3年制は専門卒で同じ、4年制も専門卒ですが大卒同様に大学院受験が「一応」できます。
あなたが、自分にあった専門学校の卒業年数を選ぶ参考になったら、嬉しいです。
よろしくー
1年制を選ぶ場合 | すぐに就職したいなら!
1年制専門学校は全体の15%。決して多いわけではありません。
1年制専門学校は20%を超える業界は5つです。
- 公務員…「特殊」な慣習・出題のある試験対策が必要
- 調理…プロのスキル・「資格習得条件」への訓練が必要
- ファッション…多数の資格による幅広いスキルが必要
- 建築…作業工程ごとに責任ある「専門資格」が必要
- 医療サポート…「他人ができない」医療現場への就職に必要
他の業界については、2年制以上が現実的です。
1年制の学校は
そもそも少ないからねー
1年制専門学校の教育目的は「3種類」で、入試対策・資格取得・訓練時間の確保です。
- 特殊な「入試対策」…公務員
- 1年での集中的な「訓練」…調理・エステなど
- 就職に関する「資格」…簿記・介護福祉・一級建築士など
資格の特性 | 例 | 学校を利用するメリット |
---|---|---|
就職が有利になるだけ | 簿記など | 独学ができない方向け |
業務実施に必要 | 介護福祉・建築切削・調理師 | 資格の受験条件を満たすため |
高度な資格への挑戦 | 一級建築士・高度IT資格 | すでに学習・職務経験者向け |
短期集中で
目的はシンプルー
就職まで考えると「正味半年」とか「正味10ヶ月」ぐらい。あっという間です。
- 学歴は「専門卒」にはならない…挫折すると完全無駄
- 業界による学費幅が大きい…消耗品・道具が必要な場合あり
- 同じ分野でも色々なコースがある…「見逃し」は後悔の原因
1年制が多めの業界・職種とはいえ、付け焼刃・駆け足があって、正直とりあえず下積みで入って鍛えていく感があります。その分、就きたい職業が決まっていれば突き進んでいけますね。
2年制であれば、より技術を定着させて落ち着いた資格取得もできるので、もし通えるようだったら考えてみてくださいね。
即就職なら1年制ー
学生するなら2年制ー
2年制を選ぶ場合 | 大学の半分の期間と費用が魅力!
2年制専門学校は全体43%で、最も多いです。
1年制の多かった「公務員」「調理」「ファッション」「建築」「医療」は、より高い技能習得・資格取得ができます。
さらに「保育」「ヘアメイク」「ブライダル」「IT」「動物」「自動車」などなど「1年制専門学校では取り組めなかった分野」に取り組めるようになります。
2年制は
全業界でメインだねー
2年制は、1年制よりはじっくり学べますが、業界によっては正味1年で採用試験に臨むので一発勝負な面もあります。
- 1年生夏休みには就活開始、インターンシップへ行く
- 1年生前期の座学が、後期の資格取得に大きな影響がある
例えば、私のIT専門学校ではかなり急ぎ足です。
- 1年生前期でITの座学(秋の国家試験に影響)
- 1年生夏休みにインターンシップ参加
- 1年生秋にIT国家試験受験
- 1年生冬休みまでに履歴書作成
- 1年生3月~2年生6月に採用試験
秋の国家試験への合格率を上げる科目免除試験が6月と7月にあり、科目免除が受けられないと秋の国家資格のランクを下げたり、最悪国家試験なしの就活に突入します。
IT業界の就活時期は春なので早く、正味1年生の授業だけで履歴書を書いて面接練習になります。
正直1年生後期にやっとプログラムを学び始めるので、なかなか「プログラムが得意です!」と言える学生はいません。大抵は「資格取得を頑張りました(取れないと詰む)」「ホームページ制作です(プログラムが難しく、簡単にみえるHTML&CSS)」になってしまいます。
2年制は、それぞれが一発勝負。授業を理解していけるか、資格に合格するかしないかで、どんどん人生が選択されていくので覚悟はして下さいね。
つねに分岐してるよー
2年制専門学校の良い点は2つ。
- 学歴が「専門卒」になり、称号「専門士」をゲット
- たった2年で就職できるので、大学の半分の期間と学費
反面、注意点は3つ。
- 業界によっては正味1年
- 学校内競争で3年制に負ける可能性
- 特に夢追いクリエイター系は要注意
秋に求人ピークがあるなら準備期間は1.5年になりますが、IT業界のように春ピークだと1年生の時の授業(入門レベル)と資格(一発勝負)だけで就職に臨みます。
さらに2年制専門学校には3年制を設置していることが多いため、3年制の学生に就活で競り負ける可能性も高いです。3年制ならプログラムは実践レベル・資格の受験チャンスも3回ありますから。
IT専門学校では、3年制をお薦めします。実際人気で、2年制課程よりも早く定員充足しています。
初めて学ぶから長めにー
ってのもあるみたいだねー
また「夢追いクリエイター系」の業界就職率には注意してください。
私のIT専門学校では2~4年制にゲームコースが設置されています。しかし2年制からゲームクリエイターになれた学生はいません。
準備期間1年では、就職に必要なポートフォリオ(作品)を作ることができず、授業で作ったテキスト見様見真似のサンプルゲーム・採用試験直前2週間で作った低品質なイラストなどで勝負をかけては不採用になっています。
もし2年制を選ぶ時には「内定率(就職率)」ではなく「業界就職率」を聞くようにしてください。かならず「ご本人の頑張りによりますがー」「ここ3年の話だとー」と「ぶっちゃげ、早々就職できませんよ」という話が聞けますよ。
絶対に気をつけてねー
よく調べた方なら、「大学編入ができる」ことを知りますが注意してください。
- 大学との単位互換は学校によるので自分で問い合わせる
- 編入試験の勉強が別途必要になる
- 編入試験が秋なので、専門学校での就職を見逃す
「専門学校は就職前提の学校」なので、完全に自己責任になります。私の専門学校でも「2年制から大学編入」を考える学生さんはいますが、成功した学生さんはいません。
もし、大卒に未練があるなら以下3通りを考えてみてください。
- 編入実績のある専門学校に入学する
- 大学コースがある専門学校に入学する
- 仮面浪人して大学受験をして入学する
とはいえ、行ける大学が限られたり、通信制大学だったりするので、一番難易度が高いけど自由な選択肢があるのは浪人です。私が見てきた学生さんでも2年に1名ぐらい仮面浪人して、大学進学していました。
ぼくは割り切った方が
いいと思おうけどねー
昨今は少子化も進み、学生さんもしっかり学びたいという需要が高まっています。
学校は収入面から2年よりも長い3年制に力を注いでいます。正直進路が決まらなかった学生さんが「本当は3年制に入りたかったけど、余りモノの2年制しかなかった」と入学しているのが実情です。
もしお金に余裕があるなら、早々に専門学校を受験して確保し、本命の学校を受験しましょう。本命に受かれば、専門学校は入学辞退すれば良いです。(入学金10~20万円は戻ってきませんが、進路が詰むよりはマシと思えるなら)
2年制が多い業界では、3年制への入学も検討しましょう。
2年制も短期集中だねー
過ぎてしまえば短いよー
三年制を選ぶ場合 | 確実に高めていきたいなら!
3年制専門学校は、私が一番お薦めする進路です。
専門学校の33%に設置されており、2年制(43%)の次に多いです。
2年制と比べた3年制のメリットは以下です。
- 2年制より準備期間が1年長い
- 2年制卒研レベルを授業でできる
- 2年制よりも資格受験回数が多い
- 就職で2年制に勝てる
就職までの準備期間が長くなると、学費は1年多くなりますがたくさんのメリットがありますね。
専門学校では初心者から学習するので、1年次は基本的な座学・入門的な実習です。2年制では入門状態で就活に臨むので心細いですが、3年制では2年次に応用的な座学と実習に取り組めます。
また資格試験への挑戦回数も増えるのが大きい。
例えばIT国家資格は春と秋なので、2年制なら1年次秋の一発勝負(1年次春は座学のため受験できません)。しかし3年制なら1年次秋・2年次春・秋の3回に増えます。
資格の受験回数が3倍になると合格する確率が上がりますし、より上位の資格が取得できれば、就職に有利になります。2年制の学生さんでは受験できないような企業へも挑戦できますよ。
2年制よりも
選択幅が広がるねー
3年制の注意点。
- 学費と期間が2年制よりも1年多くなる
- 2年制と学歴・称号は同じ(専門卒、専門士)
- 勉強しなければ2年制に負ける
一応企業によっては、2年制卒と3年制卒で若干給与を変えていることもあります。
それよりも注意すべきは、気を抜きすぎると2年制と変わらない・ましては採用試験で負ける場合もあること。1年次にしっかり基礎を磨き、2年次に資格取得と技能習熟をしなければ、「2年制と同じなら、若い方を」と思われてしまいます。
「1年生の時はゆっくりしよう」「資格を何回も受けれるからいつか受かるだろう」ではなく、しっかり勉強をしてくださいね。とはいえ余裕はあるので、是非アルバイト・趣味も含めて取り組んで、充実した履歴書と自己アピールができるようになれますよ。
私が一番お薦めするのは3年制です。
2年制はほんと
早いからねー
ただし「何となくで3年制」はダメです。もし「合わない業界だなぁ」と1年生の時に挫折したら、長い学生生活に耐えられず、退学につながる学生も多いですからね。
2年制なら「正味あと半年で就職決まるし」と思って、騙し騙し卒業までこぎつけることができます。就職は学科と関係ない業界で大丈夫ですよ。
入学してすぐに後悔するような
選択だけはしないよーにねー
四年制を選ぶ場合 | 「大卒」をとれる学校を!
専門学校には、大学と同じ4年制も少ないながらあります。
とはいえ専門学校のわずか8%。マイナー路線なので、進路選択する時は注意してくださいね。
結論として、私は4年制専門学校を薦めません。
四年間通う学費と期間が許されるのであれば、大学をお薦めするからです。
日本では「新卒」+「大卒」こそ最強です。もし4年制専門学校を選ぶなら、なぜ入学が必要なのか、どんな資格が取れるかの、どんな就職ができるのか、獲得目的と出口戦略をはっきりしてくださいね。
4年通うなら大学でしょー
4年専門学校のリスクは以下
- 就活開始が3年次夏休みからで、正直だらける
- もし合わなかったら長期間の在学に耐えられない
- 3年制の蛇足的なカリキュラム
2~3年制に比べて
後回しにされるねー
4年制専門学校の言い分で「高度専門士は大卒と同等」「大学院が受験できる」などとアピールしていますが、注意してください。
- 法的には大学院受験ができるが、合格できるわけではない
- 世間・企業さんから見たら「専門卒」で変わらない
理由は簡単ですよ。
なんで大学入試で合格できなかった準備状態で、2年後に大学に入学できるんですか?
なんで大学1~2年生の授業を受けていないのに、大学3年生から編入できるんですか?
もし自信があるのなら、挑戦してみてください。
私には「勝ち筋」が全く見えませんが、あなたの人生ですからね。
ほんとにちゃんと
自分で調べてねー
4年制専門学校では「大卒」学位が取れるコースもあります。
通信制になったり、専門学校の授業+大学の授業でかなり忙しかったりします。しかし「専門学校入試に合格すれば自動的に大学合格」する学校がほとんどなので、ちょっとした裏口になっています。
とはいえ「普通の大学」と違って留年ができないなどの違いがあるので、しっかり単位を取って行かないと「大学中退、専門卒」の学歴になるので注意してくださいね。それでも「高度専門士(法的には大卒と同じ)」はゲットできます。
とはいえ4年間は長いです。何となくで進学すると、イヤになった時に「あと3年も耐えられない」と退学して人生台無しになる学生さんも見かけます。
大学入試を避けて大卒をゲットできる裏技的な反面、入試をしていないので幅広い学生さんが入学してきます。授業中の学力の差も大きいことは覚悟してくださいね。
業界をちゃんと選ぶか
馴染んでいくしかないねー
まとめ | 自分に合った年制を選ぼう
ここまで読んで頂き、ありがとうございます!
ありがとー
さくっとまとめますね。
年制 | メリット | デメリット |
---|---|---|
1年制 | 特定の目的に集中できる | 学歴が変わらない |
2年制 | 大学の半分で就職できる 授業が入門レベルで採用試験 | 3年制に負ける |
3年制 | 資格の挑戦回数が増える 授業が応用レベルまでできる | 勉強しないと2年制に負ける |
4年制 | 同じお金なら大学の方が良い |
専門学校を選ぶ時は2~3年制から選ぶのが王道であり、お薦めです。
専門にする業界に「どれだけ合っているか」という確信が一番大事です。
「何となくよりは強いかな」だったら2年制、「しっかり高めたい」なら3年制を選んでみてください。ごく少人数ですが、2年制から3年制への転科もできます。
避けたいのは、「3年制に行きたかったけど、定員が埋まってて2年制しかなかった入学」「何となく3年制に入ったけど、早々に合ってないと感じて退学」です。
また、専門学校は個性も強いので、必ずオープンキャンパスに行って「登校していけるか」「学校生活していけるか」なども確認してくださいね。
じゃ またー