この記事には、私が働いているIT専門学校の情報系資格についてまとめました。担任クラスでは「資格ゼロを防ぎ、資格によって就職の幅を広げよう」と伝えています。
以下のような疑問を持っていたら、お力になれるかもしれません。
- IT専門学校で取得できる国家資格と合格戦略は?
- IT専門学校での資格対策授業ってどんな感じ?
- 国家資格が取れない時に、他のお薦め資格ってある?
特に以下2点が「IT専門学校のチート」なので、是非読んでいって欲しいです。
- IT専門学校は、国家試験「基本情報技術者」の科目Aを免除できる
- IT専門学校は、ワードやエクセルの資格「MOS」の割引がある
あなたが少しでも多くの資格を取得して、あなたが希望した就職ができるキッカケになれば、嬉しいです。
よろしくー
国家試験「情報技術者試験」| 専門学校の最重要資格
国家試験「情報技術者試験」は、IT専門学校の最重要資格です。
- 4レベルあるが、レベル2「基本情報技術者」がメインターゲット
- 基本情報技術者はITエンジニアの登竜門
- IT専門学校では基本情報技術者の科目A免除「修了試験」を受けられる
- キビシイなら、レベル1「ITパスポート」「セキュリティマネジメント」
これが結論ー
4レベルの国家資格 | 「基本情報技術者」が第一目標
国家試験「情報技術者試験」は4つのレベルになっています。
IT専門学校での最重要資格はレベル2「基本情報技術者」です。
資格名前 | 難易度 | 試験時期 |
---|---|---|
ITパスポート(IP) | 高校生でも合格できる | いつでも |
セキュリティマネジメント(SG) | FEより内容は簡単だが、選択肢が多い | いつでも |
基本情報技術者(FE) | 開発職に必須・専門学校では科目免除がある | いつでも |
応用情報技術者(AP) | 採用企業の幅が広がる | 4, 10月 |
高度資格 「情報処理安全確保支援士(SC)」「ネットワークスペシャリスト(NW)」「データベーススペシャリスト(DB)」 など | トップクラスの企業に採用される | SCは4, 10月 NWは4月、DBは10月のみ |
いろいろあるし
IPだFEだって混乱するねー
私の専門学校では年に2回受験、試験前1~2ヶ月は全ての授業が資格対策になります。よって年間2~4ヶ月を費やしています。
2023年度現在、IP・SG・FEはいつでも受験できるようになりましたが、専門学校での対策期間に変更はありません。他の試験は変わらず4, 10月ですし、通常の授業をするからです。
「就職のために受かりたい!」って学生さんは何度も受験しますが、危機感のない学生さんは年に2回受験するので手一杯です。
忘れちゃうから
対策授業直後の受験がいーねー
基本情報技術者試験へ向けた授業 | チートな科目A免除「修了試験」
IT専門学校では、まずは「基本情報技術者(FE)」を目指します。科目A・科目Bの同時合格する必要があります。
ここでIT専門学校のチート。科目Aを免除するための「修了試験」を、年に4回(6, 7, 12, 1月)も受験することができます。
修了試験に合格すれば、1年間も科目Aを免除することができます。
ただし、条件を満たしたカリキュラムのIT専門学校しか実施でいません。修了試験を受験できないIT専門学校もあるので、注意してください。
修了試験(科目A)の合格の秘訣は2点。
- 英単語の略語をGW~5月にひたすら覚える
- 計算問題に向き合って、捨て問にしない
「英語が苦手で…」「算数が苦手で…」と言い訳していると、合格率はぐんと下がります。
2年生になると忘れて
もっと不合格になるねー
専門学校での「国家資格対策期間」について | 1~2ヶ月を年2回
国家試験に関する専門学校の学習スケジュールです。
時期 | 内容 |
---|---|
1年生4~5月 | 修了試験に向けた前期授業 |
1年生6, 7月 | 修了試験(科目A免除試験) |
1年生9月 | 国家試験対策(全授業) |
1年生10月 | 国家試験受験(秋) |
1年生12, 1月 | 修了試験(科目A免除試験) |
1年生3月 | 国家試験対策(全授業) |
2年生4月 | 国家試験受験(春) |
以降同じ |
※2023年度はITパスポート・セキュリティマネジメント・基本情報技術者試験は、通年いつでも受験できるようになりましたが、スケジュールは今までと変わりません。応用情報や高度資格は4,10月のみ実施、さらに通常授業も実施するからです。
合格する確率が高いのは
対策授業直後の4, 10月だねー
2年課程の本試験は、1年生秋の一発勝負です。
「基本情報技術者」は何度でも受けられるようになりましたが、対策期間直後でないと合格率は低いので、実質1発勝負。
なるべく早いうちに「ITパスポート」だけでも取得しておきましょう。無資格や国家試験なしでは、あなたが希望するIT就職はできませんよ。
よって、私は専門学校は3年課程をお薦めします。ただし「3年間あるや」と1年目を無駄にする方は、結局2年課程と同じ成果になることは覚悟してください。
よくありますよ。2年課程と3年課程の学生さんが同じ企業を受験して、2年課程は採用されたのに、3年課程は不採用だってケース。
とはいえ2年課程は
実質1年の準備で就職だからねー
修了試験は1回合格すれば、科目Aを1年間免除できます。もし1年生6月に合格したら、7, 12, 1月の修了試験を受験する必要はありません。
修了試験に合格してなくても、本試験で科目A・Bに同時合格すればOKです。一般の方と同じです。
しかし私のIT専門学校では、科目A免除なしで、基本情報技術者試験に合格した学生は、100名いても1名いるかいないかです。
専門学校生において、科目A免除「修了試験」に合格できないと、本試験科目Aにも間に合わないのが現実です。修了試験で科目A免除をすると、本試験前は科目Bの勉強に集中できます。
科目A免除試験の難易度も
6,7 < 12,1月って違うよー
もし「基本情報技術者」が無理そうだったら | 「ITパスポート」へ
「基本情報技術者試験が無理そうだ…」「修了試験に合格してない…」だと、ITパスポートやセキュリティマネジメントを受験していきます。
しかし、ITパスポートに逃げ甘んじてはダメ。
ITパスポートは、毎週のように実施されるので、資格ゼロ防止になります。
しかし、難易度が一番低く「ITにちょっと詳しい人」レベルです。高校生も合格できるため、IT専門学校に入学する「前」に合格している学生さんもいます。
とはいえ「ITパスポートを持っていても意味がない」は間違い。「ITパスポートすら持っていないことが問題」と考えましょう。
無理だから逃げるではなく
基礎から取っていこーってことねー
IT職として「基本情報技術者」は避けられない資格 | 就職に大きな影響
基本情報技術者試験は「IT技術者の登竜門」と云われます。
合格していないと、地方都市でのIT企業への就職はかなり厳しいものになります。地方都市の企業は社員数が少なく、1人1人の戦力が大事だから。
一方都会の企業であれば、採用レベルの幅は広くなります。いろいろなレベルの仕事があるからです。都会の企業であれば社内研修も充実しています。
都会の方が
会社も案件も多いからねー
ITパスポートでプログラマーになれる、自社開発企業に入社できると思わないでください。
IT専門学校の基本情報技術者の取得率は50~60%です。本人の頑張りや学力にもよってしまいます。
しかし、都会の採用幅が広い「客先常駐型SES企業」なら採用はしてくれ、充実した社内研修でスキルアップはできます。
私のIT専門学校では、「基本情報技術者取れなかったけど…」「まだプログラムに自信があるわけじゃないけど…」「それでもプログラマーになりたい!IT職に就きたい」って学生さんは、SES企業の働き方・社内研修のスキルアップに魅力を感じて就職していってます。
いろんな現場を見たいって
動機もあるみたいだよー
当然ですが、応用情報技術者・高度資格に合格していくと、どんどん採用してくれる企業の幅が広がります。学校とつながりの強い企業であれば、「学生側が選ぶ立場」になれます。
高度資格であれば、専門学校ではトップ。300名いても20名もいません。他の学生が受験すらできない企業に挑戦することができます。
とはいえ、
教養やコミュ力も必要だけどねー
国家試験が取れない時にねらう資格 | ステップアップ・滑り止め
国家試験は半年に1回なので、大博打です。
専門学校では他の資格の受験もします。ゼロ資格を防止したいですし、国家試験へのステップにもなります。
- J検定…授業と国家試験の中間のレベル
- サーティファイ社の検定…授業より少し難しいレベル
- MOS…ワードやエクセルの資格
専門学校によって、J検定かサーティファイかのどちらかをメインにしています。
私が勤務した1校目はサーティファイを重視、2校目はJ検定を重視していました。両方取り扱っている学校もありましたが、どちらかだけでOKです。
あとMOSは必ずとろー
絶対ふつーに使うー
J検「情報活用試験」「システム試験」 | 国家試験へのステップアップ資格
J検は国家試験へのステップアップになる資格です。
- 「情報活用試験」が1~3級…基本情報技術者の科目Aのような
- 「システム試験」が3種類…基本情報技術者の科目Bのような
以下のような基準での受験をお薦めします。
- 資格ゼロになりそう → J検3級を
- J検3級に合格 → 2級か1級へ挑戦
- J検2級に合格 → 1級よりも基本情報技術者合格に注力
- 基本情報技術者試験の科目B対策 → J検システム試験
- 基本情報技術者に合格 → J検を改めて受験する必要なし
表にもまとめておきますね。
お薦めな人 | |
---|---|
情報活用3級 | 資格ゼロを防ぎたい人 合格したら2級(か1級)へ |
情報活用2級 | 基本情報技術者を目指す人 合格したら1級よりも基本情報技術者へ |
情報活用1級 | 基本情報技術者を目指す 活用2級を持ってない人 |
プログラム | 基本情報技術者を目指す 基本情報技術者の滑り止め |
システムデザイン | 基本情報技術者を目指す 基本情報技術者の滑り止め |
資格ゼロになりそうな時は、必ずJ検3級を取得しましょう。「簡単すぎて無駄」ではなく「資格ゼロの方が大問題」と自覚しましょう。
1年生ではJ検定3, 2級は
取っておこー
サーティファイ社の資格 | 多様な資格
サーティファイ社は、ビジネス・技能に関する検定を実施している企業です。
以下2点は有名で、受験していく専門学校も多いです。
- 情報処理技術者能力認定試験…基本情報技術者の科目Aみたい
- C言語プログラミング能力認定試験…プログラミングの入門者用の資格
J検と似ているので、「J検の情報活用試験」か「サーティファイの情報処理試験」のどちらかでOKです。
C言語プログラミング資格は専門学校1年生で充分合格できます。とはいえ私はあまり勧めません。
C言語はオブジェクト指向ではない古い基礎的な言語です。現在ではマイコンなど特定分野でしか使われていません。
大抵のIT専門学校で最初に学習するのは「Java言語」です。オブジェクト指向ですし、IT企業で一番使われている言語の1つですからね。
私はみなさんより年上なので確かに最初の言語はC言語でした。そのあとperl、Java、python、VisualC#などを学びましたが、オブジェクト指向への考えの切り替えに苦労しました。
今の学生さんなら、最初に学ぶのはJava言語で決まりです。
Progateさんなどで無料で学習できます。私のIT専門学校ではJavaの授業の最初に利用させてもらっています。
Progateさんは
ほんといいよねー
Microsoft Office Specialist(MOS)| 使わない会社はないアプリの資格
MOSは、Microsoft社のワードやエクセルなどの検定です。
ワードやエクセルは高校で使ったことありますね。どんな企業でも必ず使うアプリ(ソフトウェア)です。
資格ゼロを防ぐために受験しましょう。
受験費用は1万円前後しますが、要件を満たした専門学校は割引適用で7000円で受験できます。ぜひ専門学生である恩恵を受けましょう。
専門学生も3日前勉強で運よく合格しています。勉強法としてはダメダメですが…。私は1~2週間勉強して9割得点できました。
MOSで勉強した操作は、実際のあらゆる業務で使用します。受験するしないに関わらず書籍は購入しておくことを強く強く薦めます。
この書籍は富士通社の新入社員研究のために作成された資料を書籍として出版したものです。私もIT企業にインターンシップに行ったときは、4日間はこの教科書を用いて自習をしました。
模擬試験も5回分ついているので、専門学生が1~2週間ぐらい繰り返し演習すれば合格できています。
「ファイルの保存」など初歩的なところから、画面の写真付きで手取り足取り解説されています。パソコン初心者の方にも充分お薦めできます。パソコンスクールに通う前にこの書籍で勉強しましょう。
むしろこれ以外の本は
ないってぐらいだねー
ITエンジニアが受験する実践的な資格 | 学校や学生が手が回らない
国家資格「情報処理技術者」はどのメーカーにも偏らない中立で理論重視な資格です。
以下のような実践資格は、専門学校の廊下や掲示板に張り出してはいます。
- Oracle社の資格…Java言語、データーベースの資格が有名
- CompTIA社の資格…ネットワークの資格で有名
- LinuCやLPIC…サーバーで使うLinuxの資格で有名
- Cisco社のCCNA資格…ネットワークの資格で有名
しかし受験していくのは、学習に余裕がある優秀な学生さん、アルバイト代を資格に投入するモチベの高い学生さんぐらいなのが実情です。
「Oracle Java」は2年課程2年生の学生でも合格できるので、授業にも取り入れられています。
エンジニア向けだから
費用が高いのよねー
学校は理論重視の資格にしか手が回らない理由は以下。
- 学生さんの希望職種が明確でない(プログラマーなのか、ネットワークなのかすら)
- そもそもITは勿論、数学や英語・就職マナーなど他の授業もたくさん
- 実践資格は、明確な就職モチベがないと勉強が続かない
- 別途テキスト代や資格費用の強制はクレームになる可能性大
逆に言えば、「新卒学生の手が回らない資格」なので、IT業界に転職したい方にお薦め。「新卒学生が持っていない実践的な資格」を持っていると差別化・アピールができます。
例えばIT専門学校では、ネットワークCCNA資格は10%・サーバーLinux資格は20%しか取り扱っていません。詳しくは「新卒学生と差別化するには実務資格「CCNA」しかない」をどーぞ!
IT教育を受けていない・IT職未経験の方は、プログラミングの開発職よりもネットワーク系の運用職をお薦めします。詳しくは「先生が学生に紹介 | IT企業を絞る3つの難易度」をどーぞ!
私のIT専門学校でも30%の学生さんは運用職に就職します。「プログラムはまだちょっと…」って不安や「社会のインフラを支えたい」「会社のシステム土台を作りたい」ってモチベがあるようです。
運用職「ネットワークエンジニア」の登竜門はCCNA資格。運営しているCisco社はネットワーク機器の日本シェア50%、ネットワークの仕組みや設計は勿論、機器の操作まで試験範囲になってます。現場ですぐに使える資格です。
運用職「サーバーエンジニア」はWindowsとは違うOS「Linux」を使います。LinuC資格ではLinuxを使ったコンピュータの管理・設定を取り扱います。ホームページやソシャゲを動かしているサーバーコンピュータを管理する仕事ですぐにつかえる資格です。
もし「どんな資格かな?」「Youtubeで無料で見れないかな?」「どんな勉強法がいいのかな?」と少しでも興味がでたら以下の記事をどーぞ!
特に「ウズカレのYoutubeのCCNA講座」は1年生前期の授業とばっちり合っています。「授業が分かりにくかったなぁ」「授業で理解しきれなかったなぁ」と思ったらYoutube動画だけ見てみてください。
▼CCNA資格・LinuC資格の勉強について▼
いい本や動画が
たくさんあるねー
まとめ | 専門学校特権を利用して科目免除・MOS割引を使おう!
ここまで読んで頂きありがとうございます!
ありがとー
さくっとまとめますね。
- 専門学校の大目標は「基本情報技術者」
- しかも科目A免除「修了試験」ができるチート!
- 「J検」は、授業と国家試験のギャップを埋める資格は滑り止めに
- 絶対に「資格ゼロ」は回避しよう!
- 「MOS」は、資格ゼロ防止と仕事の基礎スキルとして
- しかも学割が効くので今のうちに!
- 「CCNA」「LinuC」はインフラエンジニアの実践資格だが、学校も学生も手が回らない
- 他の学生さんと差をつけるならアリだけど、国家試験優先で!
先生と相談しながら、自分の能力・成長と「未来の範囲」のバランスを見ながら、選んで行ってくださいね!
じゃ またー