この記事は、IT未経験者・初学者に運用職「インフラエンジニア」をお薦め解説しています。
私はIT専門学校の先生としてたくさんの学生さんの学習と就職をサポートしてきました。
卒業生の30%は運用職に就職していきます。本人のスキル・働き甲斐など理由は様々ですが、皆さんIT職のスタート地点としてのメリットを感じて就職していきました。
この記事を読むと以下のようなことがわかります。より具体的に考えられるよう、専門学校での指導経験・実例を添えている点が当ブログオリジナルです。
- インフラエンジニアの仕事内容と人材需要
- IT未経験者・IT初学者にお薦めである理由
- インフラエンジニアの勤務特性とお薦めできる働き方
あなたがIT職のスタートとして、インフラエンジニアを考える参考になれば、嬉しいです。
インフラエンジニアについて
IT職の3大分類
ITの職業には大きく3つあるって考えてOKです。
- 開発職…プログラムを書いてシステム開発をする
- 運用職…ネットワークやサーバーコンピュータを設計・管理する
- サポート職…不具合のアドバイス、現地での修理などなど
モノ作り! 面倒見! 人助け!
私のIT専門学校だと、50%以上が開発職、30%ぐらいが運用職、10%ぐらいがサポート職ですね。家電量販店・自動車販売などなどIT以外の業種に就職する学生さんも10%ぐらい。
「プログラムが苦手だけどIT職に就きたい!」って学生さんは運用・サポート職に。あと開発職は半分は自社開発(受託含む)、出向するSESも半分ぐらいです。SESは仕事のレベル幅・職種幅が広いので、採用基準も幅広。
業界の就職事情は
よく知っておいてねー
IT3職の難易度について知りたい方は「先生が学生に紹介 | IT企業を絞る3つの難易度」をどーぞ!あたなの場合は、職種と地域に気を付けると良いかもです。
「インフラエンジニア」の分野
インフラエンジニアは「運用職」。ネットワークの設計やサーバーコンピュータの管理などがお仕事です。
- ネットワークエンジニア…ネットワークの設計・運用
- サーバーエンジニア…サーバーコンピュータの構築・運用
- オペレーター…ネットワーク/サーバーコンピュータの運用・監視
最初はオペレーターで配属
ゆくゆくは設計職にー
求人では「運用職」と書かれていることが多いです。求人は大まかに書くのがほとんどです。「ネットワークエンジニアて書かれてないからイヤ!」と早とちりする前に、業務内容や企業さんのwebで確認しないと見逃しちゃいますよ。
開発職も「システムエンジニア」の中に
プログラマーも入っていますねー
ネットワークは今や生活基盤(インフラ)です。パソコンやスマホでどこでもインターネットを楽しめたり、コンビニで電子決済できたりするのは、ネットワークが常に安定して動いているからです。
例えば通信障害はニュースによくなってますね。
直近だとスプラ3だねー
このような不具合を出さないように頑張るのがインフラエンジニアです。データの通り道「ネットワーク」、サービスを提供する「サーバーコンピュータ」の面倒をみます。
今後もインフラエンジニアの人材需要は増える一方で、仕事が減ることはあり得ません。googleの検索でもどんどん注目されていることが分かります。
絶対なくならない職業ですねー
IT未経験者にインフラエンジニアを薦める理由
IT職未経験者の方・IT初学者の方に、運用職「インフラエンジニア」をお薦めする理由は以下です。
- 「プログラムを作らない」職業だから
- 採用前も採用後にも「資格」が有効だから
開発職でもIT業界に入れるけど
運用職の方が軟着陸ずざー
ネットワークやコンピュータの管理なのでプログラミングスキル不要
インフラエンジニアの仕事はネットーワークとコンピュータの管理なので、プログラム開発はしません。
もしやるとしても、自動化する「バッチ」とか「スクリプト」をちょいと使ったり、仕事に慣れたら自分のために作ってみてはーってぐらい。軽く実習したいないら「Windowsコマンド体験(自分のPCで)」と「Linuxコマンド体験(progateで無料)」をどーぞ。
インフラエンジニアの利点は、実務を通してネットワークやコンピュータについて理解できることです。
ネットワークやサーバーコンピュータの仕組みが分かった上で開発職に就くと全然違います。プログラムを作っても動かすのはコンピュータの中、通信はネットワークですもんね。
また、運用業務で「不便だなぁ」って感じたところを改良できる「現場を知ってる開発者」にもなりますね。
あと、
開発職ってほんと色んなスキルが必要なんですよ。プログラムも複数使えないと作れないし、設計書の作成・グループ開発の経験などプログラム以外のスキルも必要です。
モノ作りって
すっごい学習コストがかかるよー
設計知識と運用操作が業務なので資格取得が有効
インフラエンジニア就職では「仕事をする知識や学習経験があるか」がアピールになります。
開発職では「どんなプログラム作ったことなるの?」って実績を聞かれることもしばしば。特に中途採用ではポートフォリオ(自分の作ったモノ)を見せれると良いですね。
運用職は「作れるモノ」ではありませんのでポートフォリオは不要です。一般的な健康や生活リズム、できれば業務に必要な知識がありますよ!ってアピールできたら良いですね。
ネットワークやサーバーコンピュータについての資格を取れば
- 採用前に「資格を取りました!」って準備能力と熱意をアピール
- 採用後に「あいつ資格持っるからな」って良い部署へ配置
- 業務時に「あ、これ勉強したやつだ」「これ確認するんだったな」って分かる
行く先々で有利に運べますね。
今回ご紹介するCCNAでは、以下2点を身につけることができます。
- ネットワークの全般的な知識(世界共通の仕様)
- ネットワーク機器の操作(シェア50%のCisco社製)
入社後研修で扱う企業もあるので、あらかじめ持っているとアドバンテージばっきばきですね!
「新人研修で不合格だったら」
ってぼくだったら超心配ー
インフラエンジニアにお薦めの方
インフラエンジニアに向いているなぁーって特性を書いていきますね。どれかに当てはまっていたら「適正あり!」って思ってOKです。
わりと決まった業務計画・業務内容
まず業務に突発性がないことが安心です。
- わりとスケジュールが決まっている
- わりと仕事内容も決まっている
スケジュールについて。開発職って「納期に追われる!」なんてことがあっていわゆる「修羅場」がありますが、運用職は比較的ありません。
ときたま、訓練とかバックアップとかシステム移行のイベントがありますが、予め計画されるものです。突発的なイベントはありません。
運用ってどっしり構えて
身も心も安定しないとねー
次に仕事内容について。平時は決まった作業内容です、チェックリストに従って確認。トラブルは用意されたマニュアルで対応。
つまり、
普段は定時勤務。トラブルが起きたら忙しいですが、色んなトラブルを考えつくしたマニュアルと訓練で備え充分。すぐにねじ伏せちゃいます。事前対策は手厚いのです。
サービスが止まったら
会社として損害だからねー
インフラエンジニアを続けるモチベ
IT専門学校の学生さんだと
- プログラムが苦手だけどIT職に就きたい
- 運用でシステム理解してから開発職に就きたい
という希望されたり、企業さんからもお薦めされます。学校でも学生さんの能力・希望・企業さんとの相性を見て薦めてます。
一方で、「土台を作る・支える仕事」に働き甲斐を感じる学生さんもいます。
- 「社会の基盤」を支えたい
- 社内システムって「会社のしくみ」を作りたい
それ使えてるの俺のおかげー
その会社の仕組み俺が作ったー
ってね
インフラ企業と開発企業はそもそも目標が違います。
インフラ企業の目標
- 運用案件を受注する
- 安全安定の運用をする
- 契約を更新して売上になる
開発企業の目標
- 開発案件を受注する
- 納期内に開発を終える
- 開発製品で売上を上げる
運用職は「日々コツコツと安全安定に運用して、無事故300日!」ってのに達成感を得る方には特にお薦めです。
夜勤はシフト制が好きな方
インフラエンジニアは、最初はオペレーター配属されるのが一般的です。
現場を知らずに設計・構築はできませんからね。
- ネットワークエンジニア…ネットワークの設計・運用
- サーバーエンジニア…サーバーコンピュータの構築・運用
- オペレーター…ネットワーク/サーバーコンピュータの運用・監視
オペレーターはネットワークとサーバーコンピュータを24時間365日稼働することがお仕事なので、
- 夜勤がある。勤務はシフト制、大抵は3交代制
- 休日出勤もある。逆に平日昼間休みも
って勤務形態にも魅力を感じる方にお薦めです。
3交代・1ヶ月切替が
いいよー
私が考えるところ、以下のような方は一考の価値ありとお薦めします。
- 「会社勤務ってGW・お盆・年末年始ぐらいしか夜更かしできないよなー」
- 「フリーターやニートさんだった時にみたいにちょっと不規則でいたいなー」
- 「子供の運動会。有休とってもいいけどー」
- 「平日昼間なら遊ぶとこ空いてるよなー」
- 「高卒就職したけど、大学に行った友達とも遊びたいなー」
私は学生時代3年間オペレーターのアルバイトをしていました。機械の運用監視と障害対応です。もともと学部が実験・研究系で徹夜も多く。夜更かしも好きだったので。最終的には「夜勤専従」でやらしてもらいました。
いまでも年に2ケ月ぐらいは
午前4時寝の7時起きってのがあるー
もしフリーターやニートさん、興味あったら以下の記事どーぞ!
「夜勤・シフト制つらい!」って方もいらっしゃるので。そこは経験と身体とご相談を。数年やってスキルアップして日勤になれば良いだけなので。
勤務形態のキャリアパスも
聞いてみるといいねー
まとめ | インフラエンジニアになるには、資格が一番効果的
ここまで読んで頂きありがとうございます!まとめです。
- インフラエンジニアは運用職
- ネットワークやサーバーコンピュータの設計・構築・運用をする
- ITの土台・生活基盤なので絶対になくならない職業
- IT未経験者・IT初学者にお薦め
- プログラムスキルが不要で、機器の設定・操作がメイン
- 目的は安全安定の運用であり、納期や目的ではない
- 安定・夜更かし志向の方にお薦め
- 日々の作業内容やイベントは計画的(安定)
- 最初のオペレーター職は夜勤・休日出勤あり(昼間遊べる)
次は、就職について考えていきましょう。
インフラエンジニアになるにはプログラムスキルは不要だったので、「どんなプログラム作ってきたの?」って質問に準備する必要はありません。
仕事内容がネットワーク・サーバーコンピュータの設定・操作であるため、「どんな勉強をしてきたか」をアピールすると以下のように、採用前・直後・仕事の全てが良い方向へまわります。
- 採用前に「資格を取りました!」って準備能力と熱意をアピール
- 採用後に「あいつ資格持っるからな」って良い部署へ配置
- 業務時に「あ、これ勉強したやつだ」「これ確認するんだったな」って分かる
ネットワーク資格には色々ありますが、当ブログではCisco社の「CCNA」資格を以下4つの観点からお薦めします。
- 難易度…初心者が勉強すれば合格できる適度な難易度である
- 受験頻度…国家試験よりも圧倒的に多い試験頻度である
- 需要…国家試験よりも求人票掲載が高く、新人研修・資格手当の対象である
- 新卒との差別化…大学/専門学校のカリキュラムに取り込めない実務特化の資格である