考えなしに「いきなり退学」をすると、必ず後悔します。
日本では「学生特権」がたくさんあります。
絶対学校辞める・復学するつもりゼロでも「一旦休学」しましょう。休学すれば「学校に行かなくて良く、学生特権も使える」からです。
どうせ専門学校を辞めるなら、学生特権をつかって「次への準備」をしましょう。
私は専門学校の先生として、多くの学生さんの休学・退学を見てきました。先生は、休学・退学をしたらサポートはできませんが、この記事で少しでもお力になれればと思い書きました。
職業を超えて
伝えたいことがあるよー
この記事では、「休学→退学」を薦めつつ、退学のデメリットを明らかにし、退学までにやるべき行動についてまとめました。
退学後のデメリット
- 退学した後…一生履歴書に「退学」、「高卒」の就職/給与の格差
- 学生でなくなる…国民年金・奨学金返済の支払い発生
- 就活ノンサポート…「高卒・退学」で受け入れてくれる企業をどう探す?
退学前にやっておきたい
- 自動車免許…学割が効く
- クレジットカード…学生だから作れる
- 就職活動…20代・学生だから無料で学校のようにサポートされる
- 進学準備…今度こそ後悔しない学校を選ぼう
私は先生なので、休学中・退学後の学生さんの力にはなれませんでした。
この記事が少しでも「あなたの次」への参考になれば、嬉しいです。
よろしくー
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5つの退学デメリット | 一生モノの弱点・発生する支払い
退学は、あなたの就職に大きな影響を与えます。
日本の就職はなんだかんだと学歴重視。退学は経歴に傷がつき、学歴の高さで就職できる業界や企業が限られてしまいます。
- 履歴書の学歴に「退学」を一生書く、面接で聞かれる
- 最終学歴は「高卒」のまま、就職業界・企業に制限あり
若くて無傷を好み、キズモノを避けます。戦って負けた新古品よりも、戦ったことのない新品が好きなんですね。
例えば私は大学・専門学校と転職してきましたが、給与や待遇は新入社員よりも下です。基本給は安く、研修も受けさせてくれません。
ぼくは戦った人の方が
好きだけどねー
退学すれば、あなたは学生ではなくなります。
学生でなくなったら社会人。あなたは、勤労・納税の義務を果たすことになります。
- 学生の立場を失う…学割・年金の学生特猶が不可(納付に入る)
- 奨学金…給付終了。返済手続きに入る
- 給付型奨学金…給付終了。新しい学校では申請できない
退学したあなたは年金納付・奨学金返済をするために、就職する必要があります。
就職して払おー
3つの後悔するポイント | 学歴・就職・退学後の経歴
専門学校を卒業すれば、学校のや先生のサポートで学歴と就職を手に入れることができます。しかし、退学をすると自分で全部進めねばなりません。
専門学校を卒業 | 専門学校を退学 | 就職への影響 | |
---|---|---|---|
学歴 | 専門卒(短大と同等) | 変わらない(高卒) | 業界・企業が制限される |
就職 | ほぼ必ず就職させてもらえる | 自分で探し受験していく | 受かりそうな企業か分からない |
「学校の紹介企業なんて…」と思うかもですが、学校と付き合いが長い企業さんの特徴は以下。
- あなたの学校から採用したいと思っている企業
- あなたの学校の先輩がやっていけてる企業
- あなたに合っていると思われる企業(社風・レベル・仕事内容など)
学校のサポートがあれば、「あなたに合った/見合った企業」とマッチングされます。履歴書や面接練習の「バフ」もかかり、「企業ガチャ」がチートレベルで有利です。
退学したあなたはインターネットや企業説明会で、自分に合った企業か・受かる企業かを判断しなければなりません。
しっかり調べよー
ここでは以下3点について見ていきますね。
- 高卒学歴の就職業界は製造業がメイン…40%が製造業になる
- 就職業界によって「給与の伸び」に大きな差…初任給だけでみると損
- フリーターは20代前半まで…みんな就職して70%減少
高卒学歴による業界・企業の制限
企業の求人票には「学歴」項目があります。退学したあなたは「高卒」企業を受験します。
求人は「専門卒・短大卒・大卒」が多いですが、受験申込しても書類選考で落ちます。あなたに面接逆転のチャンスはありません。
下図は高卒・大卒の就職先業界です。
高卒学歴の就職先は、40%製造業で圧倒的。次いで10%建設業・10%小売業・8%公務員・5%運送業・4%医療福祉業。
なんと88%が6業界に集中しており、選択肢は6業界に絞られます。
もう興味はないでしょうが、IT業界への就職率は3%もありません。IT専門学校ならIT業界に就職できますが、高卒学歴ではほぼ就職できないことが分かります。
退学したあなたは、専門学校が取り扱う業界への「就職バフ」を捨てて、むしろ「退学デバフ」で就活することになります。
身体動かす系なら良さそだねー
業界によって「給与の伸び」が全然違う
別の賃金の最低額と最高額です。
最低額は初任給で同じですが、最高額が業界によって全然違います。
高卒者が多く就職する、製造業・建設業・小売業を見てください。給与水準は中間程度で、悪くはないですが良い業界が1つもないのはロマンがないですね。
例えば私の学校のメイン就職先はIT業界で、TOP5の給与水準。IT専門学校を退学したら、IT業界への就職を捨てるってことですね。
また、業界の中にも給与の安い/高い企業があります。就職した時の給与も大事ですが、就職した後の昇給についてもしっかり調べましょう。
退学したあなたは、専門学校以外の分野で就職を自由に探すことができます。しかししっかり調べないとまた「後悔する」就職をしてしまうかもです。
好きな分野を選んでねー
フリーターとニートの注意点 | フリーターは20代前半まで、ニートは詰む
以下のような考えでフリーター・ニートになる学生さんは多いです。
- アルバイトフリーターで気ままに稼いでいこう
- 20代前半ぐらいまでならニートでも平気だろう
下図は厚生労働省発表の統計です。
グラフから | 考えられる原因 |
---|---|
フリーター(青線)は20代前半で70%減少 | 20代前半で挑戦が一段落。時給労働のキビシさを自覚。 |
ニートさん(黄色)は横ばいで変わらず | 就職活動経験・職歴もないため、やり方分からず・自信もなく受験できない。 |
専門学校退学だけでなく、大学卒業してもフリーターを選ぶ方はたくさんいます。フリーターをしながら「夢」を追いかけたい方も、「何となく」就職活動しなかった方など。
みなさん20代前半で「脱フリ」してるので就職もしっかり考えて行動してますね。
いつの間にか周りが就職!
になってるから注意だねー
「正社員の初任給20万円程度だったら、アルバイトと変わらないじゃん」って思いもありますね。
しかし、20代前半を終える頃に、正社員との給与の差が出てきます。
フリーター | 正社員 | |
---|---|---|
給与 | 時給制(時間) | 基本給+残業+各種手当 ボーナスがある |
働かなければ | 給与なし | 有給休暇で給与減らない |
リスク耐性 | 病気・怪我で働けなくなる | 休職制度もある |
年金・健康保険・税金 | 自分で計算し納付 | 会社で完備(天引き) |
正社員は、学校の登校と同じで
行きさえすればお金もらえるー
フリーターはメンタルにキますよ。
フリーターの労働条件
- 毎日仕事があるとは限らない
- 税金などを手持ちから納付する支出感・自分で計算する手間
- 休日=お金が入らない
- ボーナスなし・時給頭打ち
正社員の労働条件
- 会社に毎日行けばお金が入る
- 税金などは、給料から天引きされるので支出してる感なし
- 有給休暇あり
- ボーナス・昇給・手当あり
正社員なら「職場に行きさえすれば」、毎月安定してお金がもらえます。就職するならフルタイム・正社員を目指しましょう。
私はフリーター学生で、学費と生活費を稼いでましたが、お金の大切さを学びました。「1時間立って1100円、このお弁当とペットボトルを買ったらほぼ残らない」って思って買い物も慎重に。
退学したあなたは、社会人として自活・自立します。お金の稼いでしっかり使っていきましょう。
1ヶ月ガチでいれて
18万円が最高だったかなー
フリーターさん・ニートさんの就職活動の難しさは、「専門学校でサポートされることを、全て自分でやる」ことにあります。
- 履歴書…採用試験で通用するアピール内容
- 面接練習…聞かれると困る質問への対応
- 企業選択…自分に合った・受かりそうな企業を探す
特に企業選択が一番難しいですね。
だって「フリーター・ニートを受け入れる会社ですよ!」ってどこにも書かれてませんよね。学校などの就職サポート実績がないと分かりません。
退学したあなたは、自分で「専門学校中退・フリーター/ニートを受けれてくれる企業」を探す必要があります。探し出さないと、書類選考で落ちまくるので、「無駄撃ち就活」になってしまうから。
頑張って見つけてねー
4つの必須行動 | 退学する間に、何を決め・何をすべきか
退学する前に次の進路が決まっていると良いですね。
私は「退学前提休学」を薦めます。いきなり退学するよりも、学生の立場がキープできる「後期休学」や「進級休学」を薦めます。
後期休学なら半年、進級休学なら1年間は学生の立場がキープできます。授業料は発生しませんし、その間にアルバイトなり就職活動をしてOKです。
学生特権を利用しまくって
辞めていこー
復学するつもりがなくても「とりあえず休学」しておけば、学生特権を使えます。初手からメリットのないフリーター・ニートを最初から選ぶ必要はありません。
- 学生の立場をキープ…年金や奨学金返済をまだしないでOK、学割もできる
- 学割を利用した準備…自動車学校の学割・学生対象の就職サポートサービスの利用など
退学前提の休学で
準備時間を作ろー
ここでは以下について詳しく解説していきますね。
- 自動車学校…入校時に学生ならOK。絶対に今のうちに!
- クレジットカード…フリーターやニートでは作れないので今のうちに!
- 就職活動…「高卒企業」を探すためにサービス利用がお薦め
- 進学準備…学校に入り直すなら、今度こそしっかり調べましょ
特に自動車免許とクレカだねー
そして「失敗しない就活」だー
自動車免許を取っておく
自動車学校は近くに通っても良いですが、学校に行かなくてよいなら合宿も良いですね。短くすみますし、県外でも宿泊・ご飯がでる自動車学校もあります。
▼合宿免許は一括検索で探すのが便利▼
- ユーアイ免許(検索)…ネット割引5,000円・追加料金なしなど特別プランアリ
- ドリーム免許(比較)…最短2週間・20万円台の合宿プランアリ
- 合宿免許受付センター…最短2週間の合宿プランアリ
専門学校に通わなくて自由なので、気分転換に行くのも良いでしょう。「通い」でも自分の都合で登校日を決められるので、気が楽です。
「お金が…」「運転コワイ…」って気持ちも分かります。しかし、就職してからは平日昼間働くので、自動車学校にはまず通えません。
アルバイトしてでも保護者さんに頼んででも取得しましょう。
自動車免許は就職前に
絶対とろうねー
クレジットカードは学生のうちに作っておく
クレジットカードは、収入が安定してないと作れません。
審査があるので、ニートさんは勿論、フリーターさんも作ることが難しいです。学生さんは作ることができるので、今のうちに作っておきましょう。
大多数の学生さんは正社員就職するので、学生さんのうちにカード契約してもらって社会人になっても使ってもらおうってことですね。
銀行口座とクレジットカードは便利です。私も学生時期に地元の銀行・全国的な銀行に口座を作りました。
買い物だけでなく、家賃・電気に水道・学費に使えます。ポイントもたまるので、1年も使えば3000円以上は簡単に溜まりましたね。
基本的に全国的な銀行でOKですが、地元企業や学校だと地方銀行しか扱ってない場合があります。
ぼくは最初は地方銀行
今は全国的銀行だけ使ってるー
就職活動は「我流」ではなく、情報源・相談先を確保
就職活動は、マイナビさん・リクナビさんに登録してデータベース検索するのは、みなさんやります。
逆に言えば、「新卒大学生」と同じことをやっても採用競争に勝てないです。残念ながら、あなたは「高卒学歴」だけでなく「専門学校退学」の経歴ですから。
「新卒学生」と差をつけなければ就活競争に勝てません。専門学校と同じような、情報源・相談先を確保しましょう。
特に大学生は自分の勘で「我流就職」して、大学のキャリアセンターすら利用していません。だから「就職しても失敗したなぁ」と離職します。
理系学生は50%がキャリセン利用せず、完全に「我流就活」
高卒者の1年以内離職率16%、3年以内に36%が「失敗就職」
就活サービスを利用しましょう。
専門学校と同じように、企業とのマッチング・履歴書作成・面接練習をしてくれます。20代であれば無料で利用できるサービスは、今だからこそたくさんあります。
- 人から聞くのもてっとり速い…「先生」と一緒
- あなたに合いそうな企業とマッチングしてくる…「学校」と一緒
高卒・退学は「デバフ」だよー
「バフ」をかけてこー
▼登録して間違いないサービス▼
学校よりも長い人生
自分で決めるんだよー
学校を選び直すなら、今度こそ失敗しないように!
分野を変えて学校に入学しなおす方もいますね。
たしかに、学歴を「専門卒」や「大卒」に上げたいですし、「新卒」の方が就職に圧倒的に有利ですから。
私の先輩は就職した後に看護専門学校に通って、今は看護師をしています。また「大学にやっぱり行きたい!」って方は、予備校に通ったり、宅浪して大学を受験します。
今度こそ「後悔しない学校選び」をしてくださいね。
調べまくって問い合わせて
オープンキャンパス行きまくってねー
▼学校の資料請求は一括できるサイトが簡単です▼
▼学校の選び方の記事をどーぞ!▼
1点だけ注意点。今の専門学校で「給付型奨学金」をもらっていたら、次の学校では申請できません。
給付型奨学金とは、家庭の経済状況に応じて給付する「国による返済不要の奨学金」です。しかし、他の学校に進学される方は「返済不要の給付型奨学金」の申請はできません。
詳しい説明は、今通っている学校・次に通う学校と相談してくださいね。
一度退学したら
吹っ切ってどんどん進もー
まとめ | 退学前提の休学中をして、準備を進めよう
ここまで読んで頂きありがとうございます!
ありがとー
さくっと復習がてら、まとめますね。
退学によって学生でなくなるデメリットは以下の通り。
- 退学によるデメリット
- 一生履歴書に「退学」と書き続け、聞かれ続けられる
- 「高卒学歴」による就職制限・給与の格差
- 学生でなくなるデメリット
- 支払いが発生する…国民年金・奨学金返済など
- 就職活動がノンサポート
- 「高卒・退学」で受け入れてくれる企業をどう探す?
- フリーターは20代前半まで、ニートさんは論外
休学中・退学前にやっておく行動は以下の通り。
- 自動車免許を取得する…学割が効く
- クレジットカード・銀行口座を持つ…学生だから作れる
- 就職活動…20代・学生だから無料で学校のようにサポートされる
- 進学準備…今度こそ後悔しない学校を選ぼう
あとは、あなたが行動するだけです。
疲れちゃったので2~3ヶ月は休んでも良いでしょう。しかし、その後は行動してください。
少なくとも、考えなしにダラダラとフリーターやニートさんになるのは、絶対に薦めません。
じゃ またー