学校に登校しさえすれば、ある程度欠席が多くても、成績が悪くても不合格でも進級・卒業はできます。
この記事には専門学校の留年についてまとめ、私の専門学校の事例も載せました。
1年間、思い返せば「学校行けたのに休んじゃった」ってないですか?
夏休みまでは欠席しても、先生からあまり言われなかったし、最悪夏休みに補講ができました。でも、夏休み後に実習に人間関係に問題が出て欠席がどんどん溜まって、でも冬休みや春休みは短くて補講が…
あるあるです。「留年しないか」って不安になっちゃいますね。
この記事で以下のことが分かれば、少しは不安が解消します。
- 留年の条件…欠席日数、科目合格で判定される
- 救済措置…補講、再試験でなんとか進級卒業をさせてくれる
- ただし「キビシイ学校」と「キビシクない学校」がある
- 留年しても、奨学金打ち切り以外は大丈夫
もちろん、あなたの頑張り・反省・改善が必要ですよ。あなたが「進級・卒業をしたい」と思い、行動をしてくれれば、学校は必ず進級・卒業まで付き合います。
よろしくー
▼次に参考にして欲しい記事▼
留年する確率 | 「キビシイ学校」と「キビシくない学校」
留年するかは、以下2点で決まります。
- 学校がどれだけ「救う」…補講や再試験をどれだけするか
- 学校が補償すべき「水準」…卒業に伴う資格・受験条件のライン
特に2つ目「学校が補償する水準」に資格が絡むと「キビシイ学校」です。
- キビシイ学校…自動車学校と同じ。水準をクリアしないと留年
- キビシくない学校…高校と同じ。なんだかんだと進級させてくれる
IT専門学校は
キビシくない学校だねー
「キビシイ学校」| 卒業に資格・受験条件が絡む
「キビシイ学校」は、卒業時に資格が付与されたり、卒業が資格の受験資格になっている学校です。
- 卒業で付与…電気工事士・測量士補・調理師・栄養士・保育士など。
- 卒業が受験資格…看護師・放射線技師・言語聴覚士・作業療法士・歯科衛生士・針灸師など
人の命・財産に影響がでる職業なので、どうしても水準を満たす技能レベルでなければ進級・卒業をさせてあげられないんですね。
責任重大だからねー
キビシクない学校
専門学校では卒業時に「専門卒」学歴・「専門士」称号を付与されます。
専門学校は、国が定めた設備・教育基準を満たし、都道府県に申請し「認可校」だからです。「社会に出る直前の学校」として、色んな学生さんを受け入れ、教育して就職をしてもらう使命感で運営しています。
進級・卒業基準はありますが、基準を満たすまで「救済措置」でトコトン付き合いますよ。欠席が多くても補講で補充しますし、試験が不合格でも逃げずに再試験をすればいつか合格します。
ただし補講で救済できないほどの欠席が多かったり、再試験から逃げて単位取得ができなったりすれば、学校としてお付き合いのしようがありませんからね。
私のIT専門学校では、留年する学生は150名中1~2名です。0名の時もあります。
お互い諦めず
やっていこーねー
留年の条件 | 進級条件は全体の欠席日数・単位数
どの専門学校でも、「出席日数」「単位数」の基準を満たせば進級・卒業できます。
- 年間の「換算欠席日数」は20日まで…超えたら「補講」
- 専門学校は原則全てが必修科目…不合格なら「再試験」
学校によって
ちょっと違うけどねー
全体の欠席日数
まずは「欠席日数」について。
進級・卒業の要件に出席日数があります(正確には「総単位時間」ですが割愛しますね)。
計算としては年間の「換算欠席日数」で測ります。
「換算欠席日数」とは、欠席だけでなく、欠課(授業単位での休み)や遅刻・早退も加味して計算される欠席日数です。
許される換算欠席日数及び計算式は、学校によって若干異なるので、自分の学校の学則を確認してくださいね。入学時のオリエンテーションでも説明がありましたし、先生に聞いてもOKです。
「欠席は20日まで」にしている学校が多いですね。
働いた時の有給休暇に合わせている説があります。「専門学校は欠席にキビシイ!」と言われますが、あなたが働いてから苦労しないようにと解釈してくれると助かります。
社会人じゃ無遅刻無欠席は
当たり前だよー
「換算欠席日数」が超えてしまったら即留年ではありません。
救済措置として、超えた時点で「補講」を実施します。「貯金」はできないので、「前もって多く補講して、欠席に備える」ことはできません。
補講は放課後や長期休暇で実施します。
実施には限界があるので年間50日休めば留年の可能性はかなり高いです。夏休みは実施できますが、冬休みや春休みは短いですから、欠席は後半ほど溜まりやすいので要注意です。
午後からでもいーから
登校しておいでー
進級・卒業に必要な単位
大学と違って専門学校の時間割はきっちり決まっています。
全授業科目への合格が進級・卒業に必須(必修)です。高校と同じだと考えて大丈夫です。
科目試験やレポート・実習に不合格すると「単位未取得」になり進級・卒業ができません。
しかし「不合格=即留年」でもないです。「再試験」があります。
再試験は費用がかかる学校がほとんどなので、気をつけてくださいね。仮に2000円として、5科目で10000円、8科目で16000円です。
自動車学校でも、規定時間を超えると追加料金がかかりますよね。
かわいそうだけどねー
こっちも手間なんよー
「再試験に落ちたらどうなるんですか?」って質問も良く受けます。
大抵の専門学校は付き合いますよ。大学は1回か2回再試験やったら「不可」にします。
「再々試験に費用はかかりますか?」については、学校によります。
私の専門学校では「再試験」のみでした。
だって、再試験に落ちる学生さんは再々試験にも落ちる可能性がありますし、その度にお金徴収したら破産しますよ。正直事務処理がメンドイってのもあります。
ちょっと言葉悪く書きますが。
何回再試験してでも、答えを覚えてでも、60点以上を取ってくださいね。60点を超えた証拠がないと再試験合格を出すことができません。
夜遅くまでかかることもあったよー
こっちも大変だからお願いねー
留年についての「よくある質問」
最後に留年についての質問・疑問・不安への答えをまとめておきますね。
「留年」は、3月中旬の成績が確定した頃に「進級・卒業判定会議」にて正式に決まります。
後期授業は2月下旬に終わって、成績評価が終わり、再試験などの「救済措置」も実施した後です。
この時点で、単位未取得なのは学校に来ていない・再試験を受験していないことが理由です。私の学校では、再試験は何度も合格するまで付き合うので。
先生や学校に依りますが、あなたは「自分が留年するか」は事前に大体分かります。
担任が何回も面談をしているはずですから。
- 進学・卒業する意志があるのか
- 今後の改善についてどう思っているのか
以上2点をちゃんと伝えれば、先生は「なんとか進級を」とお願いをしてくれます。
進級する気ないなら
無理だよー
また、すでに保護者さんにも何度も連絡しています。
- 日頃の欠席が多ければ必ず連絡しています
- 欠席が多くなれば、書面も送っています
- 再試験に来なかったら連絡しています
学校は、あなたがしっかり登校して進級・卒業することを強く望んでいます。
その一方で、あなたが改善する気がないのであれば「切る準備」をしています。いきなり留年措置をするとクレームになりますからね。
学校からの連絡を「立て直そうと頑張ってくれている」か「追い詰められている」と感じるのかは、あなたの心持ち次第です。
学校は確実な動きをしますよ。今までたくさんの学生さんと保護者さんを相手にしてきていますからね。
あなたが頑張るかどうかだよー
欠席が多すぎて、補講しきれない場合もあります。
日数にも依りますが、学校判断で「条件付き進級」「卒業見送り」の場合もあります。
- 条件付き進級…反省文・誓約書を書き、翌年の様子をみます
- 卒業見送り…条件を満たすまで卒業を見送ります
ただ、さすがに80日も100日も欠席されては無理です。法的にも無理ですし、他の学生さんと著しい不公平が生じてしまいますからね。
また、再試験や補講に来ず単位未取得の解決ができない場合も無理です。
少なくとも学校に来る・単位を取得するが大前提、その「見込み」「可能性」すらないのは無理です。当たり前ですが、学校に行かず単位取得もしなければ、進級・卒業は絶対にできません。
学校に来るしかないよー
卒業見送りの場合、4月上旬には遅れて卒業するぐらいです。
「就職はどうなるの?」と思いますが、卒業見送りになるぐらいの学生さんは、「就職どころではなく卒業を優先する状態」になっています。学校に来れない、就職に自信が持てなくて諦めたなど。
学校はあなたの就職を邪魔はしません。
たしかに、連絡をひたすら無視したり、文句ばっかり言ったりする学生さんもいました。内定した就職を卒業式前にいきなり辞退した学生もいました。
それでも学校はあなたの人生の邪魔をしません。(そもそもそんな学生さんと手を切りたいってのは勿論あります)
学校はオトナの集まりですよ。表面では笑っていても、やることはしっかりやりますし、今後の学校運営も考えています。特に私立学校は会社と同じ側面を持ちます。
あなた一人のために学校がキケンになるような行動はしませんし、あなた一人のために踏み出すこともありません。
どこかで切るよー
「同じ学年を2回留年はできない」や「最大年限を正規の2倍(2年課程なら4年まで)」と定めている専門学校もあります。
しかし大学ほど留年はしないので、明確に定めていない学校もあります。最終的には校長先生の判断になります。
とはいえ、同じ学年を2回留年する頃には退学します。成績不振よりも欠席、「学校に行きたくない・行けない」状態ですからね。
留年で続ける確率は
50%かなー
留年すると授業は受け直しか。全部受け直しです。
例えば、1年生の前期で全科目合格して、後期に学校に行けなくなって留年した場合。次年度の1年生の前期も全部受け直しです。
「学校が受け直すって定めている」と理解してください。理由は、そもそも留年が発生しづらい、授業間のつながりが強く一部受講だけでは成り立たないなどです。
ごくごく一部の「単位制専門学校」では、大学同様に「一度合格した科目(単位)は次年度以降も有効」としています。京都府のIT専門学校が珍しい例です。
授業間のつながりが
強いからねー
奨学金は「学校に通いたい学生さん」のためのサポートです。
成績が優秀である必要はありませんが、留年するってことは「普通の学生として通えていない」見られて当然ですからね。
「学校に行けない」などの事情もあるでしょうが、頑張りましょう。
なお「修学支援制度(給付奨学金)」では、成績が悪いと警告され、警告が続くと打ち切りの対象になります。
平均以上であれば問題ないです。そもそも入学時の成績と経済状況でも判断されるので、在学中に打ち切られる可能性は低いです。
「学校に行く人」のための
サポートだからねー
まず1年生で留年した場合は、新入生と一緒になるので、まったく気づかれません。全員が初対面ですからね。
次に2年生以上で留年した場合、クラス替え・コース編成があったら気づかれる可能性は低いです。
IT専門学校で小規模校の場合、コース分けを1年生や2年生でします。学生さんは他クラスの学生に知り合いはほぼいないので、クラスが再編成すると初対面になります。
そもそもクラスメイト全員の顔と名前を覚えている学生さんが少ないです。クラス替えやコース分けがなくても、気がつかれない可能性もあり得ます。
また「留年」によって奇異の目や差別されることはありません。あなたが思っているほど、他人はあなたのことに興味はありません。
担任は「留年した学生が馴染むか」はちゃんと見ています。良い方向になるかはあなた次第ですが、いじめや差別には繋げないので安心して登校してくださいね。
気にせず登校してねー
就職できます。専門学校にとって、就職は最重要の出口戦略です。
ただし、企業は専門学校とは違います。
専門学校は「集団教育に耐えうるなら受け入れる」学校でした。しかし、企業は「採用水準を満たさなければ採用をしない」組織です。
留年するしないではなく、全ての学生さんに言えることで「採用されるかどうかは能力次第」です。能力とは、成績・資格・技能だけではなく、アルバイト経験・健康状態・面接での印象も大いに含まれます。
成績だけじゃないよー
企業側が気づけば聞かれます。
履歴書の学歴には、わざわざ留年・休学は書きません。よって「2年課程だけど、入学年度と卒業年度を見ると3年在籍してるな?」と計算しない限り気づきません。
ただし年齢はほぼ確実に見られるので、「入学前か在学中に何かあったかな」と思われることはありますね。
「ストレートな経歴でない」ことを聞くかは、企業・人事担当者に依ります。
また、あなたは担任と面接練習ですでに対策をしていますよ。また「学校求人」の企業さんも専門学生の事情はよく理解してくれています。
そもそも「専門学生の半分近くは年上学生」なので安心してくださいね。
面接対策で問題なしー
「留年した辞めます」は有効か。
まったく効果はありません。辞めるならご自由にどうぞ、学費さえ払って頂ければ結構です。
無理なものは無理ー
まぁそうそう留年には
ならないよー
まとめ | 学校に登校すれば進級・卒業はできる
ここまで読んで頂きありがとうございます!
ありがとー
さくっとまとめますね。
- 進級・卒業は「欠席日数」「科目合格」で判定される
- 「欠席多い科目不合格=留年」ではなく、「補講」「再試験」がある
- 学校にちゃんと登校すればまず留年しない
- ただし、卒業基準が「キビシイ学校」はある
じゃ またー
▼次に参考にして欲しい記事▼