私は大学・大学院の学生を経て、大学・IT専門学校の先生をしてきました。大学と専門学校でのプログラマー就職のサポート経験から解説します。
結論。大学でも専門学校でもプログラマーになれます。
ただし大学と専門学校では、プログラマーになるための戦略が違います。
- 大学…学歴で大手応募できるが、資格・実習は独力・入社後に伸びる
- 専門学校…学歴で大手不利だが、資格・実習は授業・入社時に有利
プログラマーになるための「3種の神器」は以下。
プログラマーになる「3種の神器」
- 「学歴」…大手は大卒だけ応募可能
- 「適性試験(教養・SPIなど)」…数学・英語など、大手ほど前提
- 「国家試験(基本情報技術者)」…入社後にアドバンテージ
さらに、「確実に就職する」ためにはサポート、「就職した後やっていく」には実習経験が必要です。
大学 | 専門学校 | |
---|---|---|
学歴 | ◎大手は大卒前提 | △大卒に負ける |
適性試験 | ◎普通科出身のため | △大手に落ちる |
国家試験 | △独学は可能 | ◎授業の一環 |
実習経験 | ×卒研の独力 | ◎授業の一環 |
就職活動 | △自力 | ○学校求人 |
採用試験に有利なのは大学、入社後のアドバンテージは専門学校です。
大学では資格・プログラム・就活が独力なので、この記事でサポートを紹介しますね。
専門学校では大手就職を少し諦めますが、学校求人で「確実なIT就職」ができます。なるべく良い企業に就職するために、授業・資格・就職の内容を紹介しますね。
この記事が、あなたの満足いくプログラマー就職への進路選びの参考になったら、嬉しいです。
よろしくー
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大学>専門学校 | 大手は「大卒」前提なので
大学が有利です。絶対に圧倒的です。
日本は学歴が強いですし、大学生はなんだかんだと器用で頭が良いからです。
もし、受験の準備・費用の準備・就職まで4年間でOKなら、大学一択。大学に行ける状態なのに、IT専門学校を選ぶのは「愚か」です。
通信制であっても「大卒」なので、「専門卒だ」と書類通過しないよりはマシ。
正直、大学はどこでも似たようなもんなので、というか後悔するポイントはあまりません。
大学にお薦めの方
- 就職までの4年間遊んだりしたい
- 学術的な学びをしたい(成果に直結しない)
- 資格を自力で頑張れる(3年生から)
- 就活を自力で頑張れる(3年生から)
とはいえ、大学が合わなくて専門学校に入り直すパターンもあります。
以下に当てはまるなら、IT専門学校がお薦め。地元の学校でOKです。
IT専門学校にお薦めの方
- そもそも大学受験の準備ができていない
- 授業でIT・プログラムまみれになりたい
- 何の役に立つか分からない授業はイヤ(即戦力を重視)
- 就活を自力ではできないから、サポートで確実にしたい
- 就職まで4年は長いと感じる・費用もかけられない
- 数学なり英語なり著しく苦手な科目がある
専門学校でも「行かなきゃよかった」と後悔する場合があります。
大学と専門学校の
特性を理解してこー
大学でプログラマーになる注意点 | 資格・実習・就活
大学生は、かならずプログラマーになれます。しかも「大手」も可能です。
以下の3つを揃えてください。
ふつーの国立大学だったら国家試験の勉強をすればOKです。
大学からシステム系プログラマーになる「3種の神器」
- 「大卒学歴」←通信制でもまぁOK
- 「適性試験(教養・SPIなど)」←大学のランクによる
- 「国家試験(基本情報技術者試験でOK)」
逆に「国家試験の基本情報技術者がムズカシイから、ITパスポートで・・・」って方は、向いてない可能性が高いです。ITパスポートは高校生で合格できるから。
IT専門学校でも基本情報技術者に合格しないでIT就職はします。しかし、学校と企業のつながりの強さ・大手ではない企業や客先常駐型SES企業の幅広さにあやかってます。
おそらく「大学まで行ったのにこんな会社…」と落胆します。(悪いわけではありません。価値観の問題です)
あとは大学生としての
いろんな経験としゃべりだねー
プログラムは、ちょっとでOK。もちろん学業・研究で使ってると有利です。
- 授業で1~2科目やりましたでOK(VBAのみはNG)
- 卒業研究で「ツール」として使ってれば尚OK
大学生は頭が良いので、プログラムも国家試験も入社してから身につきます。よって、会社も重要視はしませんし、あなたが準備をしていれば採用にかなり有利。
大学での戦略
- どの学科からでもIT就職可能
- 国家資格は取っておく(3ヶ月でOK)
- いろんな経験・自立をしておく
大学の注意点
- 就職は「個人活動」になる
- 学校とIT企業のつながりがない
- 授業はITやプログラムメインではない
- 4年の費用と期間に耐えれるか
入社してからの伸びは
大卒>専門卒だよー
心配だったら、「Progate」さんで無料でプログラム実習始められますよ。
学科・実践的な授業を受けてないのが不利? → 問題なし
こんな不安がよくあるでしょうが、大丈夫です。
- 授業でプログラムをたくさんしてないけど…
- そもそも文系なんだけど…
IT企業では理系以外の方は55%超え、文系の方は30%を超えてます。活躍する女性も25%に迫っています。
IT業界の出身が、文系が30%・理系以外が55%の図
IT業界で活躍する女性は25%に迫る図
さらに、大学の学部別にIT業界への就職率を見てみましょう。
以下のように、全学部で大きな差はなく20~30%の大学生がIT業界に就職しています。
「総合数理」って
数学とITの融合だから異常に高いー
専門学校では、履歴書準備・面接練習・企業選びも応募も学校の授業の一環です。「我流就活」をすると、「大手企業見逃したー!」「全然内定もらえないー」「思ったのと違った…」なんてことになりますよ。
大学生を対象にした「IT就職サービス」もたくさんあります。
無料、就職しなくても違約金ゼロなので安心して利用できます。説明会で業界について聞いてみるだけでも、独力では知りえない情報をゲットできます。
興味がでたら一読してみてくださいね。
「初めての就活」で
「我流」ってヤバないー?
最大の注意点 就職活動を「脱我流」→エージェント型サービスがお薦め
大学生の一番大きな注意点は「就職活動」です。
まず、新卒入社の離職率は3年以内に30%を超えます。
大卒と高卒では少し事情が違います。
- 大卒者は「我流就活」をするから。自己分析・企業選別・受験準備が不充分で満足いく就職ができていないから
- 高卒者は、考える時間が少ない・先生に言われるまま・40%が製造業で給与と仕事内容に不満などの要因が大きい
大学新卒者の「就職活動のやり方」を統計でみます。
- 大手総合サイトでの大規模データーベース検索で「企業ガチャ」
- 大学のキャリアセンターなど「情報源・相談先」を持たない「我流就活」
マイナビ・リクナビの登録率75%超えの図
大学キャリアセンターの利用率60%の図
多くの大学生が、マイナビ・リクナビなどの大手・総合型のサービスで、データベース検索をして「企業ガチャ」をしています。20社受験するなどは当たり前。
一方で、大学にキャリアセンターが設けられてますが、やはりまだまだ「お飾り」。
「利用したことがある」程度で、最初の一度だけ就活セミナーをする程度。本気で活用している学生は少ない。
そもそも、大学は「就職」ではなく「学術研究」の組織。企業とつながりはないので、紹介できる企業も少ないです。
試しに研究室の先生に就職聞いてみてください。先生は大学→大学院→大学の先生なので、民間企業に就職したことがありません。
大学のスタッフは、あなたの就職について、ほぼほぼ無力です。
まぁ先輩がどこに就職したかー
ぐらいは参考になるねー
近年は大学生の内定率も90%を超えました。からくりがあります。
しかし、そもそも大学生の就職意識は弱く「就職希望者は60%」です。つまり正味60×0.9=54%なのです。
それにしても、内定率の高まりが早いですね。大手企業なんて「前年の12月」には募集を締め切ってます。
「4年生になってからでいいや」と思ってると、「あれ?周りのやつ、いつの間にか決まってる」「自分には余りモノ企業しかない」って状況に。
統計からは、
大学院進学・フリーターは除外されてるよー
私は、IT専門学校で就活指導をしてきました。よって、大学生も指導を受けるべきだと考えています。
大学に行った方は普通科高校がほとんどで「就活を授業で受けたことがない」です。しかし、工業・商業高校・IT専門学校では、「就活は授業」です。
就活を習った事のない大学生が、我流で就活をしているのが実態です。
だから失敗する確率が高いのは当たり前。
当ブログでは、エージェント型就活サポートをお薦めしています。
大抵のサービスが無料なので、一度調べてみてください。
ちやほやは
大卒・新卒・20代のときだけー
国家資格を取っておく 「基本情報技術者」が必要十分
採用試験では「業界に入るための準備をした」とアピールできることが強いですし、競争の中では必須です。
IT業界の準備、つまり資格の代表格は「基本情報技術者試験(FE)」です。
同級生は、FE+研究でPG使ってる
「日立」「楽天」に就職してたねー
なお、ITパスポートではダメです。高校生でも取れるからです。
ただし最初に取得するのがお薦めなタイプの方もいます。
私は大学生の時に、独学で国家資格を取得しました。「下位の資格で高得点を取って、勢いをつけて上位へ」をループさせるのが私のやり方です。
私のIT資格の履歴(学生編)
- ITパスポート…3ヶ月座学ぎっちり。9割得点
- 基本情報技術者…3ヶ月。プログラム経験が有利だった。8割得点
- 応用情報技術者…3ヶ月(2ヶ月目が中だるみ)。7割得点
基本情報技術者FEで、セキュリティSC・ネットワークNW・データベースDBの基礎ができます。応用情報技術者APは少し高度になったくらいで、問題としてはむしろシンプルです。
「テキストで体系的な知識を得てから、過去問を解く」タイプです。常に満点・高得点で仕上げて、勢いを活かして合格してきました。
「過去問から入る」タイプの方は、勉強法はぐぐってください。私とは違うタイプなのであまりアドバイスできません。
どっちかというと
理論的な方なんでねー
どうしてもプログラムスキルが心配なら、プログラミングスクールを使う
採用試験で「ITの勉強は~~~をしてきました!」って言えると良いですね。
それに、就職してからも「あっ、これ知ってる!」ってのが多いほど入社後がスムーズ。
やっとくと良いITスキルアップ(途中まででOK)
- MOS本は必須スキル
- プログラムはProgateで無料
- もう少し触りたいならProgateに月額1000円 ←専門学校の中の下レベル
- 書籍・スクールにて、流行りの技術で軽いシステム作ってみる ←専門学校の上の下レベル
- IT職種が決まってるなら、実務資格で新卒学生と差別化 ←IT未経験の転職者レベル
ちょっとでも独学すれば
いいんだよー
IT専門学校でシステム系プログラマーになる
私のIT専門学校では、50%以上がプログラマー(開発職)です。全学生の85%はIT職ですね。
ただし、大手IT企業は学歴で弾かれます。これは間違いない。
でも、IT専門学校とつながりがある企業には、合格しやすいです。
学生の90%が学校求人で就職していきます。悪いことではないですよ。
今までの先輩が就職して間違いのなかった企業ですから安心です。もし悪い事が起こったなら学校は、学生さんに紹介しません。
膨大な外部検索で自分で探した企業で「ガチャ」をするのか、選択肢は少なめだけど確実に良い企業をひくのかの好みの違いです。
結局は自分で時間をかけて
自分で判断していくんだよー
IT専門学校の良い点
- 授業はシステム系に特化
- 「就職」も授業として実施
- 学校とIT企業とのつながりが強い
IT専門学校の注意点
- 大手ほど学歴で書類選考通過しない
- 授業レベルを低くするしかない
- 2年は早熟・3年が良い
当ブログでは、IT専門学校についてはすごく詳しく書いてるので、リンクを紹介するだけにしますね。
大学と専門学校で迷っている方。学校の違いを「大学か専門学校の違い10ポイント」で理解しましょう。
システム系だったら「地元=地方都市」のIT専門学校でもOKです。「IT企業就職希望の高校生に「地元」専門学校をお薦めする理由」をどーぞ。
設備面で不満に思う場合があるので、オープンキャンパスには行きましょう。もし複数のIT専門学校が通える範囲にあるなら「行ってはいけない専門学校を見破る14点」にて吟味しましょう。
「大学に落ちたから専門学校に入学した」は「不本意入学」といって一番多い退学理由です。他にもパターンがあるので「IT専門学校に行かなきゃよかった原因と対処法」にて「自分に起こりそうか」考えてみてくださいね。
社会人の方。高卒だったら「高卒社会人が専門学校に馴染む方法」でアリ。大卒だったらナシで、働きながらプログラミンスクールの方が良いです。
こんだけ考えれば
後悔はないはずだよー
ゲーム系は、無認可校>大学 | ゲームプログラマーに就職するなら
ゲームプログラマーになるには、大学か専門学校かどっち?
まず、専門学校を選択肢に入れてるのがオカシイです。
ぼくはIT専門学校の先生
だけどねー
以下の方は、絶対に「都会のゲーム学校(無認可校)」です。
都会のゲーム学校(無認可校)にお薦めの方
- 絶対にゲーム企業を「受験」しないと人生後悔する
- 絶対にゲーム企業に就職したい!
次にお薦めするのは「大学(地方でもOK)」です。
大学にお薦めの方
- 日本ではやっぱり「大卒」が強いから、リスク負えないよね
- ゲーム企業に就職しないでもOK
IT専門学校は絶対にダメです。特に「地方のIT専門学校は絶対にダメ」です。
IT専門学校を薦めない理由
- ゲーム企業への就職確率5%未満
- 「専門卒」学歴は大手IT企業の書類選考に通過しない
IT専門学校「でも」良いパターン
- ゲーム作れたらいいなぁ
- 大学受験の準備してない
IT専門学校ゲームコースでは絶対にゲームクリエイターにはなれません。もしあなたが、上位3~5%に入る自信があるならなれます。
詳しくは「【5%】専門学校先生が語る!ゲームクリエイターになる確率を上げる学校選び」をどーぞ!
なんで自分でデバフするのー?
大学・IT専門学校・スクールの特性をまとめますね。
大学 | IT専門学校 | スクール・無認可校 | |
---|---|---|---|
オススメ度 | ○ | × | ◎ |
準備が不要か | ×長期の受験対策 | ◎不要 | ◎不要 |
ゲームを学べるか | ×学べない | △基礎だけ | ◎制作重視 |
ゲーム業界の就職 | ○ | × | ◎ |
ゲーム以外の就職 | ◎ | ◎大手ではない | △学科による |
お薦めの理由 | 「大卒」学歴 | 「専門卒」学歴 | 必ずゲーム業界へ就職 |
注意点 | ゲームは独学 | ゲーム就職は無理 | 「高卒」学歴のまま しかしIT就職可 |
田舎の学校でOK? | OK | 絶対ダメ | 絶対ダメ 都会へ |
お薦めの人 | 覚悟が弱い人 独学できる人 | 覚悟が弱い人 独学できない人 | 覚悟が強い人 絶対受験したい人 絶対作りたい人 |
最後に当ブログでの、ゲームプログラマー系記事を紹介しておきます。
IT専門学校のゲームコースで、なぜゲームクリエイターになれない理由は、「【5%】専門学校先生が語る!ゲームクリエイターになる確率を上げる学校選び」にまとめています。
それでもIT専門学校にいく事情があるなら仕方ありません。でも、ゲーム就職は無理です。
ぼくがんばって教えたけど
全然なれないねー
ゲームクリエイターになるには、大学に行けるなら大学が一番良いです。ただし独学・作品制作をしっかりしてください。
もし大学に行く準備がないけど、ゲーム作りにひたすら熱中・集中して、「なんとしてもゲームプログラマーになりたい!」って強い覚悟があるなら、「スクール(無認可校)」を選びましょう。
無認可校にはリスクがあります。しかし、ゲーム就職にはまったく影響がありません。
あなたにゲーム就職への覚悟と熱意の強さで選んでください。